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「低体温症」の恐さについて、登山をやるなら絶対知っておくべし‼ | 山おかめ

「低体温症」の恐さについて、登山をやるなら絶対知っておくべし‼

「低体温症」という言葉は聞いたことある方も多いと思いますが、登山に行く際に何かしっかり対策をしていますか?

「自分は低い山しか行かないから大丈夫」とか、「冬には山に行かないから平気」なんて思っていませんか?

実は、山の高さや季節には関係なく低体温症による事故が起きています。

下手をすると、低体温症によって命を落としてしまうことだってあります。

対策をしている人としていない人で生死がわかれてしまう可能性もあります。

どういったことでなってしまうのか、またならないためにはどういった対策をすればいいのか、万が一なってしまった時にどうするのがベストなのか、登山をやる人なら絶対に知っておきましょう。

そして、登山へ行く際にはいつも何かしらの対策はしておきましょう。

低体温症とは

低体温症とは、体の中心部の温度が35℃以下になり、体に色々な弊害を引き起こす症状の事です。

冬や高い山に限ったことではなく、  雨・雪・汗などで体が濡れてしまってから冷えると発症しやすくなる ので、夏だからといって油断はできません。

特に調整機能が低いお年寄り筋肉量が少ない子供の方がなりやすいです。

また栄養不足、疲労、水分不足でも低体温症になりやすくなってしまいます。

ですので、登山中栄養が足りなかったり、水分をあまりとらないでいるのは良くありません。

低体温症の症状

35℃以下まで下がると低体温症ですが、震えは37度くらいからはじまります。

震え(シバリング)は体温をあげようとして筋肉が震える反応です。

36.5~35℃では意識はまだ正常です。

35~32℃ 

35℃で震えが最大になります。

34℃で意識の障害がでてきます。
 34℃が自分で回復できる限界 と言われています。

皮膚感覚がちょっとずつ麻痺して、ろれつが回らなくなったり、歩行がよろめいたりします。

手足の指の動きもにぶくなり、おかしな言動をするようになります。

体温が32℃に下がってくると震えが止まります。

32~28℃ 

32℃以下になると危険な状態で、意識がなくなりそのうち呼吸や脈もなくなってしまいます。

30度以下になると蘇生が難しくなります。

低体温症にならないための対策とは

ぶた子
ぶた子
低体温症にならないために
どういったことに気をつければいいんだろう?

実は低体温症が起こりやすい気象条件や、低体温症が発生しやすい山というのが有ります。

しっかり勉強した人ならば、あらかじめ行く山の予想天気図をチェックしたり、また行く山の自然の驚異にさらされた場合などをある程度予測はできますが、なかなか初心者や素人では難しいです。

ですので、初心者でも出来る対策についてご紹介します。

速乾性と保温性の有る下着を着る!

低体温症は  衣服の濡れ が大きく関係していますので、まず、登山に着ていく衣服はとても重要です。

おかめ
おかめ
濡れた衣類は空気の25倍の速さで熱を奪ってしまうから気を付けて!

汗をかいてなかなか乾かなくて濡れた衣類をそのまま着ていると、それによってかなり体が冷えてしまいます。

ですので、中に着る直接肌に触れるものは、 速乾性と保温性もあるものを着る ようにしましょう。

綿やレーヨン入りの衣類は乾きにくいので絶対に避けましょう!

初心者は特に、外見ばかりに気をとられがちですが、中に着るものの重要性をしっかり認識してください。

レインウェアを必ず持参する!

上にも記したとおり、低体温症に濡れは大きく関係しています。

汗による内側からの濡れだけではなく、雨や雪・霧などにより外側からも体を濡らすことがないようレインウェアは必ず持参しましょう。

 晴れの天気予報でも必ずレインウェアは持参 しましょう。

あまり安物のレインウェアだと、長い時間雨に打たれると結局中に浸透してきてしまうことがあります。

できれば透湿、防水性にすぐれたゴアテックスのものが安心です。

防寒着は多めに山へ

夏だったり、低山だったり、天気予報が晴れだと、防寒着を持っていかない方もいるかもしれませんが、それは絶対に良くありません。

万が一のために防寒着は必ず持ちましょう。

体を温めるために 防寒着は多めに持参する ようにしましょう。

ちなみにレインウェアも防寒着としても使えます。

カイロも持参しておくともしもの時に役立ちます。

防水対策は必ずしよう!

雨の時の対策として、ザックカバーは必ず常に持っておきましょう。

またそれだけでは大雨の時や、川にザックを落としてしまった時などに中身が濡れてしまうことがあります。

 必ずビニールなどに入れるなど防水してからリュックに入れる ようにしましょう。

せっかく持参した防寒着が濡れてしまっては意味が有りません。

食料、飲料をこまめに摂ること!

エネルギー不足や水不足でも低体温症になりやすくなるので、こまめに食料や飲料をとるようにします。

意識して摂るようにしましょう。

軽度の低体温症の処置の仕方

軽度の低体温症:36℃~34℃くらいまで

低体温症の状態を判断するポイントは「震え」「意識」です。

雪や雨、風を避けられる場所へ移動する

雪、雨、風に当たり続けてしまうと、どんどん低体温症の症状が進行してしまいます。

まずは、できるだけ雪や雨、風をしのげる場所を探しましょう。

できれば屋内に移動ができるなら屋内に移動した方がいいです。

ただ近くに避難小屋は無いなら、少しでもそういったものを避けられる場所に移動しましょう。

濡れた衣服はぬいで乾いたものに着替える

濡れた衣服を着たままだと、体の表面から気化熱が奪われて体温が下がるのが加速してしまいます。

濡れた衣服、靴下、手袋はぬいで乾いたものに着替えましょう。

もしも着替えがなかったとしても、濡れた衣服は抜いで、毛布などにくるまるか、持っている衣類を着こみましょう。

もしそういったものがなければ、肌着の下にタオルや新聞紙を入れるんでも暖かくなります。

手足の付け根を温める

手足の付け根や首などに携帯カイロやお湯を入れたペットボトル(タオルでくるんで)などを挟んで温めましょう。

もしペットボトルがなければ、熱湯に浸したタオルを二重にした袋の中に入れ口をしばり、その上からかわいたタオルを巻いても即席の湯たんぽとして使えます。

エネルギーを補給する

何か食べ物を食べることでカロリーを補給して、体温を上げるためのエネルギーを補給しましょう。

糖質(炭水化物)を摂るとエネルギーになるのが早いので一番効果的です。

中等度の低体温症の場合は注意が必要

注意

中等度の低体温症:33℃~32℃

体温33℃~30℃の低体温になってくると処置にも注意が必要です。

 ちょっとした刺激で不整脈を起こしてしまう ことも有るのと、 体表面を加温すると冷たい血液が心臓に戻ることでショックを起こしてしまう ことが有ります。

体は動かさないようにしましょう。
そして体を丁寧に扱うようにしましょう。

体表面ではなくわきの下やそけい部に加温するが急激な加温はしないようにしましょう。

過去の山岳事故

日本では、様々な低体温症による事故が起きています。

その中でも有名な大きな山岳事故をご紹介します。

こういったものを知ることで、低体温症の恐さを実感し、今後山を登る上での参考にし、教訓としましょう。

八甲田雪中行軍遭難事件

1902年(明治35年)1月に旧日本陸軍歩兵第5連隊が青森にある八甲田山で雪中行郡の訓練をしていて遭難してしまった事件です。

210名いた訓練参加者の内、実に199人もの人が亡くなったというとても恐ろしい世界最大級の山岳遭難事故です。

ちなみに作家浅田次郎さんがこの事件を題材として、 『八甲田山死の彷徨』(はっこうださんしのほうこう) という山岳小説を執筆しています。

興味が有る方は読んでみてください。

また、この小説をもとに1977年には映画化もされています。

富士山大量遭難事故

1972年3月19日夜半から3月20日に富士山で起こった大量遭難事故です。

連休中ということも有り、この日は55人が富士山に入山していました。

低気圧の襲来により富士山はその日悪天候に見舞われてしまい、御殿場ルートを下山中に雪崩や低体温症により18人が死亡、6人が行方不明となってしまいました。

立山連峰中高年大量遭難事故

1989年10月 この日かなりの悪天候となり、10人の中高年のパーティが遭難しました。そして最終的にはそのうちの8人が低体温症により死亡しました。

トムラウシ山遭難事故

2009年7月16日 北海道のトムラウシ山でツアー客15名とガイド4名がツアーに参加してのツアーでした。

夏にも関わらず、ツアーガイドも含めて全部で8人が低体温症で亡くなっているということで世間にも衝撃を与えました。

その後、『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』という本も出版されています。

まとめ

低体温症は他人事と思っていてはいけません。

登山をやるなら、必ず知識を得ておいて、常に対策をしておきましょう。

そして、夏でも天気予報に限らずいつでもそういった危険に陥る可能性があることを頭に入れておいてください。

寒いなと思ったらすぐにエネルギーを補給したり、上着をはおるなどして体を暖かくしましょう。

低体温症による事故は件数自体は少ないですが、起こった場合には大事故に発展することが多いです。

登山をやる全ての人に、登山にはこういったリスクが有るということを認識していただき、少しでもこういった事故が減れば嬉しいです。

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