これで完璧!春・夏・秋・冬 初心者さんの登山の服装基礎知識。
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目次
1.登山を始めたけど…服装ってどうすればいいの?
登山というと、リュック・登山靴・雨具というのが3大装備と言われ、とても重要な道具となりますが、それと共に登山に着て行く服というのも、実は命と関わるとても大切なものなんです!
そうは言われても登山初心者の人には、
「一体どんな格好するのが正解なんだろう。」
「今の季節だとどういう服装がいいのだろう。」
と困ってしまいますね。
そこで、初心者向けの山に登る際の「登山の服装の基本」をまとめてみました。
季節ごとの服装についても併せてご紹介します。
是非参考にしてみて下さい。
平地と比べて山の天気は変わりやすい上に、日向だとすごく暑いのに、日陰や吹きっさらしの場所だと寒かったり、また、霧で覆われてしまうと急に寒さを感じたりしてしまうことがよくあります。
そして、歩いている時はたくさん汗をかいて暑いのに、休憩でしばらく休んでいると、汗が冷えて一気に寒くなってしまうなんてこともあるんです。
「自分が行くのは低山だから大丈夫!」とか、
「夏だから大丈夫!」
という考えは間違いです。
まずはしっかり登山の服装の基本を知ってから、山に出かけて下さい。
2.登山の基本はレイヤー(重ね着)です!
まず、登山の服装の基本はレイヤー(重ね着)です。
ベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターという3つの役割のものをこまめに脱いだり着たりして体温調節をします。
3つと言っても、常に3枚着るという意味では有りません。
ベースレイヤーは1枚、ミッドレイヤーは2枚、アウターは1枚という風に着たりもします。
それぞれに機能や役割が違うので、何枚かを重ね着して登山中、暑かったら脱いで、寒かったらすぐに着るというのを繰り返して体温をコントロールし、低体温症になるのを防ぎます。
ですので、上に羽織るものはできるだけリュックの取り出しやすい場所に入れておきましょう。
★ベースレイヤー(肌着)
ベースレイヤーというのは一番下に着る直接肌に触れる肌着のことでアンダーウェアとも言います。
最近はお洒落なウェアがたくさん出ていますので、可愛いウェアが着たいと外側をまず気にしがちですが、肌に直接触れるものですので、ベースレイヤーが服の中でも実は一番重要と言ってもいいかもしれません。
女性の場合は、ブラジャーやパンティも合わせて必要です。
山登りは汗をたくさんかきますので、出来るだけ汗を素早く吸収拡散させて肌をドライに保つために吸水速乾性がなによりもとても大事です。
汗がいつまでも乾かないでいると汗冷えして低体温症の危険が高まります。
また、それに加えて保温性も有ると寒い季節には理想的です。
ベースレイヤーは夏は涼しく、冬物は温かくがベストです。
素材としては、コットン(綿)は、吸水性にはすぐれていますが、汗で濡れてもすぐに乾かないため、体温を奪ってしまうので、登山の服装としてはとても危険です。
絶対にやめましょう!
それに比べ、ポリエステルは汗を逃してくれるのに優れていて着心地もよく、匂いが吸着することも少ないので、アンダーウェアには最適です。
★登山インナーについてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページへ
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★ミッドレイヤー(行動着・中間着)
ベースレイヤーの上に着る服で、汗をかいても素早く乾く動きやすいものがいいです。
ただ、ベースレイヤから発生する汗を発散させる速乾性ももちろん必要なのですが、ベースレイヤーに比べて保温性も大事になってきます。
脱ぎ着をするので、シャツやジップシャツが望ましく、暑くなったら首元を開けるだけでも温度調節が可能です。
寒い時期にはこのミッドレイヤーを数枚持っていき重ね着をすることも有ります。
・ポリエステルシャツ
ストレッチ性は少ないけれど速乾性が有り、アンダーウェアの上に着ます。
厚みは色々ありますので、その季節に合わせたものを選びましょう。
チェックのものが多く、登山らしい服装になります。
★登山用シャツについてもっと詳しくみたい方はこちらのページへ
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・フリース
ポリエステルのものが多いです。
軽いのですが、風には弱いので寒い時にはさらにアウターを着ると温かくなります。
ウインドブロックという防風素材を張り合わせたものも有ります。
また、毛並みがフサフサしているものは保温性が有りとても暖かいです。
薄手のものから厚手のものまであるので、季節によって変えるのが良いでしょう。
・ダウン
フリースよりも保温性が有り、フリースよりもコンパクトになるので寒い季節には重宝します。
出来るだけコンパクトになって軽いものを選びましょう。
袖なしのベストダウンも便利です。
・ソフトシェル
ゴアテックスなどの完全防水機能のあるハードシェルに比べて防水性防風性はおとりますが、その分動きやすくてアウターとしてもミッドレイヤーとしても使えます。
★ソフトシェルについてもっと詳しくみたい方はこちらのページへ
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★アウター(レインウェア)
アウターとは、雨風を凌ぐための防水性と防風機能がある一番上に着るウェアのことです。
レインウェアは肌寒いときにウィンドブレイカーとして使えます。
そのため、上下に分かれたセパレートタイプのものが使い易くおすすめです。
また、レインウェアを着て歩いて汗をかいた場合、その汗が外に放出されないと、中の衣類が濡れてしまうことがあります。
山で身体を濡らすと低体温症の危険がありますので、その蒸れを外に逃す機能がとても大事になってきます。
というわけで、アウターは撥水性が有り、なおかつ内側での濡れを軽減する透湿性も非常に重要です。
機能的なことを考えると、登山用のレインウェアをできるだけ早く購入することをおすすめします。
★登山用レインウェアの選び方について詳しく知りたい方はこちらのページへ
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●ボトムス
ボトムスにはロングパンツ、ハーフパンツ、スカートなどが有ります。
どれを選ぶにしても、山登りの際、足を上げやすいストレッチ性の優れた生地か立体裁断のもので、擦れたりしてもすぐに破けない丈夫な素材のものがいいです。
暑い季節はハーフパンツや山スカートも涼しく快適です。
最近ではハーフパンツにタイツの男性も見かけるようになりました。
ショートパンツの弱点はロングパンツに比べてひざ下の防御が甘い事と、スカートよりもトイレがちょっと面倒なことです。
スカートは、トイレがしやすく脱ぎ気が楽で下半身の体型を隠せるのはとても魅力的ですが、強風時やはしごにはあまり向いていません。
標高の高い山へ行く場合は、やっぱりロングのトレッキングパンツの方が良いかと思います。
●靴
季節には関係なく、行く山の標高やどんな山かで履く靴も選ぶといいでしょう。
標高の低い山で日帰りだったら、ミドルカットのトレッキングシューズが軽くて歩きやすいです。
標高が高い山で荷物も多いような場合はハイカットの丈夫でしっかりした靴の方がおすすめです。
ハイカットの靴は岩場や急斜面でも歩きやすいので、長い時間の登山やハードな登山に向いています。
靴は登山のグッツの中でも出来るだけ早く購入すべきアイテムです。
購入する際には必ずお店に行って、試着してから買いましょう。
一人一人足の形は違いますので、自分の足に合っていないと、足に負担がかかり疲れやすくなってしまいます。
★登山靴の選び方について詳しく知りたい方はこちらのページへ
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●帽子
どの季節でも帽子は必須アイテムです。夏は特に紫外線が強く、標高が100m高くなるごとに紫外線は1%ずつアップすると言われています。
夏には紫外線をできるだけガードできるつばの広いハットがおすすめです。
頭も発刊量が多いので、吸水速乾性が有る化繊かウール素材にしましょう。
雨よけにもなるし、万が一の落下物からも頭を守ってくれます。
冬や少し寒い時期ですと、温かいニットの帽子などウールの帽子で耳まで覆えるととても暖かいです。
★登山の帽子についてもっと詳しく知りたい方はこちらを参照してください。
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●靴下
厚みがある靴下だとクッション性によって足への負担が軽くなります。
足も汗をかきますので、乾きにくい綿はやめましょう。化繊かウール混紡のものがよいです。
また、汗が冷たくならず、匂いも抑えてくれるメリノウールの素材も快適でおすすめです。
分厚い靴下がない場合靴下を2枚重ねて履くという方法も有ります。
★登山の靴下についてもっと詳しく知りたい方はこちらを参照してください。
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3.初めから全て登山用品で揃えなくては駄目?
登山用品は登山に適した機能がしっかり備えられていますので、登山用品で揃えられるならもちろんそれに越したことはありません。
でも、登山用品って高価なものが多いので、いきなり全て揃えるのって大変です。
最初のうちは代用品を使用して、少しづつ揃えていくのが賢い方法かなと思います。
ただ、代用品を使うにしても、ちゃんとポイントがありますので、詳しく解説していきます。
<登山で使える普段着>
・速乾下着
ユニクロのエアリズムはおすすめです。
素材はナイロン、ポリウレタンで、私もブラジャー・パンツを使用していますが、さらっとしていて快適です。
値段も手ごろです。
・スポーツ用のシャツ
素材がポリエステルのものだったら良いです。
・ジャージ
軽いし、乾きやすく、汗をかいてもべたべたせず快適です。
そして、前あきなので使いやすいです。
私もミドルレイヤーとしてよく使います。
・メリノウールの薄手のセーター
吸水速乾性と保温性を兼ね備えたウールの中でも肌触りがよく軽いので最高級ウールと言われ、アウトドアでも注目されています。
1枚持っていると便利です。
・ダウン
ユニクロのウルトラライトダウンコンパクトは薄手で軽くてコンパクトになり、
さらに収納袋までついていて、ミドルレイヤーにおすすめです。
私も1つ愛用しています。
<登山に向かない普段着>
・保温のインナー
ユニクロのヒートテックは冬場に一見良さげですが、速乾性に劣るので、登山で汗をかくと乾きにくくあまりよくありません。
普段着としては重宝しますが、運動には不向きです。
・ジーンズ
綿で出来ているものが多く、水にぬれると重くなり、動きにくくなるので体への負担も大きいです。
また汗をかくと乾きにくいので身体をどんどん冷やしてしまいます。
・合羽、ビニールのレインコート
登山用でないレインウェアは、透湿性を考えて作られていないので、汗をかくと湿気がたまり、せっかく雨具を着ているのに中が濡れてしまうことになります。
4.季節ごとの服装を知りたい!!
夏の登山の服装
夏は暑いので、半袖短パンだけでも大丈夫と考えてしまう人がいますが、それはとても危険です。
山は、標高によってもその日の天候や行く山、コースによっても、気温や体感温度が違います。
低山であっても、低体温症になる危険性が有ります。
夏でも必ず、防寒着は持参しましょう。
夏でもやっぱり重ね着が基本です。
といっても、家を出るときから全て着ている必要はありません。
寒いと感じたらすぐに羽織れるものをしっかり準備しておきましょう。
・夏のベースレイヤー
他の季節に比べて夏はたくさん汗をかくので、できるだけ素早く外に逃す速乾性が特に大事です。
半袖の化繊(ポリエステルなど)のアンダーウェアがベストです。
登山用やスポーツメーカーから出ているものは、機能もしっかり考えられていて非常に良いです。
歩き始めは暑いので、速乾性のあるTシャツだとそれ1枚にもなれて涼しくていいです。
ただし長い歩きの場合は日焼け止めを塗るかアームカバーをするなど対策をした方がよいです。
アームカバーは登山用のものが売っています。
暑ければすぐにはずすこともできるので便利です。
・夏のミドルレイヤー
山の上は紫外線も強いので、ポリエステルなどの化繊の長袖シャツをベースレイヤーの上に着るのがおすすめです。
長袖シャツだと、怪我の防止にもなり、虫さされ対策にもなります。
標高の高い山へ行くのであればもう1枚フリースを予備として持っていくと安心です。
・夏のアウター
夏のアウターは雨具と兼用でもいいでしょう。
山の天気は変わり易いので、晴れの予報でも必ず持参しましょう。
・夏のボトムス
夏でも、高めの山へ行くのでしたら、怪我の防止や虫刺され対策、寒さから身を守るという意味でロングパンツがおすすめですが、低めの山でしたらショートパンツやスカートにタイツでもよいでしょう。
タイツは筋肉をサポートするものや、血流を良くする効果のある着圧タイツなど、スポーツ用の機能がしっかりしたタイツがいいです。
春・秋の登山の服装
春は、まだ冬の寒さが残っていたり、急に夏の暑さが感じられたりもします。
また、秋は、夏の暑さが残っていたり、逆に冬の寒さの気配が感じられたりもします。
気温差が激しく、春・秋は非常に服装が難しい季節です。
行く前日に、行く山の最低・最高気温チェックをするのはもちろんですが、それでも最適な服選びは難しいものです。
ですが、うまく体温調整ができれば、桜や紅葉がみれたりして、とても魅力的な季節です。
暑かった場合と寒かった場合も想定して、脱ぎ着しながら体温調節出来るように準備するのが大切です。
防寒着が足りないのは危険ですので、必ず予備の服も入れておくようにしましょう。
初春や晩秋は防寒用に薄手のダウンなどがあると安心です。
あとは、ニットの帽子や手袋、ネックウォーマーなども持参しておくと防寒に使えます。
・春・秋のベースレイヤー
やはり速乾性は大事ですので、速乾性のあるものにしましょう。
汗をたくさんかきやすい人は、下に着るものは夏と同じく出来るだけ涼しくなる化繊のものが良いですが、そうではない方は、この季節は保温性もプラスされたウール入りの物がおすすめです。
長袖のTシャツの上に半袖のTシャツを着る重ね着スタイルもいいでしょう。
・春・秋のミドルレイヤー
寒さも有る季節ですので、フリースやウールの保温性が高いウェアがいいでしょう。
・春・秋のアウター
この季節は防風性と通気性がしっかりしていてストレッチ性もあるソフトシェルジャケットが便利です。
レインウェアほどは防水性はないですが、少しくらいの雨でしたらはじいてくれます。
1つ持っているととても役立ちます。
ただし、完全防水ではないので、初心者にはレインウェアの方が使い易いかもしれません。
・春・秋のボトムス
春・秋の山は少し肌寒いことが多いですので、ロングタイプのパンツがよいです。
登る山に合わせて防寒機能の高いパンツを選びましょう。
とても寒い時は、速乾性の保温タイツをパンツの下に履いてもいいでしょう。
スカートやハーフパンツにするならウール素材のものが温かくてこの時期にはいいでしょう。
また、パンツは7分丈など少し長めを選んだ方が安心です。
冬の登山の服装
晴天の日が多く空気が澄んでいるので、この季節とても展望がいいです。
場所によっては雪がつもり危ないですが、低山で積雪量が少ない場所で、お天気のいい日や安全なコースを選べば、気持ちよく歩けます。
ただ、本格的な雪山はとても危険が多いですので、しっかりと経験をつんだベテランになってからにしましょう。
冬は寒いですので保温性はもちろん大事ですが、吸湿速乾も大切です。
寒い冬でも、歩けばやはり体は温まります。
速乾性がなければ、体を冷やしてしまい低体温症になることも有ります。
・冬のベースレイヤー
保温性が高い化繊とウールが混紡されたものがベストです。
メリノウールのシャツも保温性、通気性、速乾性、防臭性など高くとてもいいです。
綿素材は絶対にやめましょう。
肌着を2枚重ねるという方法もあります。
・冬のミドルレイヤー
冬のミドルレイヤーというと厚手のフリースやダウンがおすすめです。
できるだけ多めに持参する方が安心です。
・冬のアウター
ゴアテックス素材のウェアは雨風をふせいでくれるので、有ればその方が安心ですが、冬の里山歩きくらいでしたら、レインウェアでも良いでしょう。
中にフリースやダウンを着こめる余裕のあるサイズのものにしましょう。
雪の有る山に行くのでしたら、やはりゴアテックス素材のアウターを1つ持っていた方が良いです。
・冬のボトムス
冬用の少し厚手のパンツが売っていますので、その方が良いでしょう。
そして、寒い季節はロングパンツの方が良いです。
ズボンの内側にフリースや起毛素材がついたもの、キルティング素材のものなどの冬用ズボンだと保温力が高く温かいです。
どうしても、スカートやハーフパンツにしたいなら冬用の厚手のものを選び、保温性のあるタイツの上にレッグウォーマーやロングソックスなどを使用してしっかり防寒しましょう。
タイツを2枚履くのも温かくなります。
5.何を買おうか迷ったら、初めはレンタルで。
「高価なものだから道具は慎重に選びたい。」とか
「登山を続けられるかわからないから、とりあえず試してから道具は買いたい!」とか
「全て揃えるにはお金がかかるから、持っていない道具はとりあえず借りたい!」とか
「登山をするのは今回限りだから道具を買いたくない!」
なんて方は、とりあえず初回はレンタルするという方法も有ります。
富士登山のセットや屋久島登山セット、初めての登山セットなども有ります。
また、コースによっては、色やメーカーが選べるものも有ります。
そして、レインウェアだけを単発で借りるというのも可能です。
どれを買うか迷っている方は、まずはレンタルという手も有りますよ。
登山用品をレンタルするならこちら6.まとめ
同じ季節でも行く山によって行く日の天候によって、また体調などによっても、何の服装が必要になるか適格にはわかりません。
ある程度の暑さ寒さを想定して、準備をします。
行く前日には必ず、行く山の最低気温最高気温をチェックすることを忘れずに。
登山に綿100%の服は絶対に駄目です。
大体の服装の基本がわかったら、あとは登山に何度か行く内に、自分にとっての必要なもの、向いているものがわかってくることでしょう。
登山用の服が増えてくると、コーディネートする楽しみがでてきます。
より登山が楽しくなるでしょう。
まずは、基本にしっかりそった服で、余裕を持った防寒着で、山へ出かけてください。