「羽根田治氏」の遭難シリーズ本を引き込まれるように読んだ話!
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羽根田治さんと言えば、実際に有った遭難事故を取材してたくさんの本を出されています。
本を読む前は、気になりつつもちょっと怖い気持ちと、読後に辛くなってしまうのではという思いが有りなかなか手に出来なかったところが有ります。
ですが、たまたまメルカリで売っているのをみかけて思い切って読んでみることにしたわけです。
おかめが読んだ本は、
「ドキュメント 生還 山岳遭難からの救出」
「ドキュメント 単独行遭難」
「ドキュメント 道迷い遭難」
この3冊です。
本が発表された順番に読んでみました。
それぞれにあまり詳しい内容については伏せますが、どんな感想をもったのかを書いてみたいと思います。
目次
「ドキュメント 生還 山岳遭難からの救出」
羽根田治氏の本で初めて読んだのがこの本です。
遭難の本はちょっと怖いと思いつつも気になっていたのですが、何が怖いかって遭難で死んでしまう話だと、読後に辛くなってしまうと思ったんです。
「生還」という本ならば助かった話だろうから、怖くても辛くはならないかもということでこの本を最初に読みました。
読んでみると、本に引き込まれてしまい、どんどん先へ読み進みたくなってしまいました。
それぞれのお話の先頭には地図が載っていて、遭難者が実際にどの辺を歩いたのかが明記されているので、現実感が有ります。
本当に登山道をちょっとそれたところで遭難してしまっている例も有ります。
怖いなって思ったのは、遭難して救助のためのヘリが捜索のために遭難者の近くまで来ていても「木々に隠れてなかなか見つけてもらえない」という事。
この本の中でも何度も出てきます。
派手な色の服や布を振ったり、火を起こして煙を出したりしても、ヘリからだと小さすぎて見えなかったり、煙もモヤに紛れてしまったり。
本を読む前の感覚では、近くまでヘリさえくれば簡単に見つけてもらえると浅はかにも思っていました。
ヘリが何度も近くを飛んだにもかかわらず去っていってしまった時の絶望感は物凄いでしょう。
また、遭難者って登山初心者だったり、準備をおこたってる人がするものと思っていたのですが、必ずしもそうではないというのも驚きでした。
中には超慎重で、準備も万端で登山経験も豊富な方もいらっしゃって、それでも本当にほんのちょっとの油断や判断ミスであっという間に、自分ではどうにもならない状況に陥ってしまったりもしています。
なので、自分は大丈夫という考えは絶対にダメだと痛感しました。
「ドキュメント 道迷い 遭難」
「道に迷ったら元来た道を引き返せ」とよく聞きますが、それを知っていてもなお、人は迷ったかもと思いつつもなかなか引き返せないものなのかもしれません。
まず、道を間違えたかもとなんとなく感じても遭難したということを認めたくなかったり、なんとか大事(おおごと)にしたくないとか、どうにか今日中に下山したいという気持ちの強さから戻るという行動をとり辛いようです。
そして、確実に道を間違えているというところまで来て、もう戻るには進みすぎていて結局さらに進む方を取ってしまったり、すでに引き返せない場所まで降りてきてしまっていたりします。
なんとなく、これ以上進むのが無理な場所まで来てしまってからでも戻れると安易に考えてしまいますが、実際には体力が厳しかったり、そこまでに怪我をしてしまったり、あまりに急なところを下ってしまったために上がれなかったり…。
道に迷うとどうしても沢づたいに下山出来そうと考えがちですが、沢沿いをくだっていくのは実はとても危険です。
崖にでてしまって降りれなかったり、無理に下ろうとして滑落したり、沢にはまって水に浸かってしまったり、沢の水が増水してしまったり。
そしてこの本では、逆にそこまで大事ではない道迷いが報道によって大騒ぎになってしまった事例も紹介しています。
グループで登山した人達のニュースだったのですが、マスコミにより大きく取り上げられてしまってリーダーの方がものすごく責められてしまったのです。
万が一予定どうりに下山できなかった時にどういった行動をとるべきなのかとても難しいところです。
私もサークルに所属してグループで登山をすることが主ですので、とても考えさせられました。
また、どういった工程で歩くのかという予定をしっかり残していくことの重要性も非常に感じました。
この本では、遭難救助にかかったお金についても紹介してくれているので参考になります。
保険に入ることの大事さもわかりましたし、保険を選ぶ上でも参考になります。
「ドキュメント 単独行遭難」
この本は前出の2冊よりも後に書かれたものです。
前の2冊と同じように遭難した人からの話を基に始まります。
すでに先の2冊を読んだ後だったので、ほぼ同じように遭難者の体験談だったかなと読み始めは思ったのですが、この本ではもう少し違う事例もたくさん紹介しています。
十日以上遭難し間一髪救出され、あと少しでも遅かったら恐らく助からなかっただろう事例から、結果的に遭難という形になってしまったけど、本人的にはそこまで大事に思っていなかったという事例までも有ります。
そして最後には、遭難したであろう人の残された家族の話も載せられていました。
この部分が特にこの本を読んで、前の2冊とは違う新たな視点に思います。
遭難について考える時、自分が遭難した時に助かるか助からないかという遭難した側のことばかりに気をとられていましたが、残された家族もいることに気づかされます。
遭難したであろう人が戻ってこなかった時、残った家族はただただ悲しむだけで終わるわけではないということです。
今回読んだ本で紹介されているほとんどは、遭難後に助けられた話だけれど、実際には助からなかったケースもいっぱいあるし、また助からなかったけど見つかったケースだけではなく、失踪後に見つかりすらしていないケースも有ります。
そんなところにまで焦点を当てていて驚きと同時に、登山をするということはそこまでも考えてしなければいけないと強く思いました。
「単独行はやめよう」と言われるけど、それでも単独行をする人が後を絶たないのはるそれだけ魅力が有るからで、何があってもいいという覚悟で登っているならいいのではないかという気もするけれど、残されるもののことも頭に置いておかなくてはいけません。
非常にためになるし、考えさせられる本です。
登山をこれから続けていく上で凄ーく参考になるよ!
まとめ
これらの本は「面白い」という表現はちょっと違って、とにかく引き込まれます。
常に、自分だったらここでどういう行動をとっただろうとか、一体こんなことが出来ただろうかと考えてしまいます。
心配する家族、そして必死で戦う遭難者、それから遭難者を思う周りの人、救助隊の方や救助に協力した人、それぞれがその遭難者が生きていることを願いながら動く姿を見ていると自然と何度も涙が出てきてしまいました。
登山前の届の大事さや登山保険に入ることの重要さなどもよくわかりました。
初心者だけでなく登山経験の豊富な方も、登山をやる全ての方に読んで欲しい本です。
これらの本はほとんどが助かった人達を紹介していますが、助からない人もいるのが現実です。
もしも遭難してしまった時、この本を読んでいることで、もしかしたら生につながるよりよい選択ができるかもしれません。
自分自身がこういった状況に置かれるなんて考えたくはないけれど、登山をする上では可能性は0(ゼロ)では有りません。
本に紹介されている話は、実際に起きた遭難のほんの一部です。
自分は大丈夫と思わないでください。明日は我が身です。